「中華人民共和国反不正当競争法」
現行の不正競争防止法は1993年から施行され、不正競争行為を規制し、経営者及び消費者の合法的な権利・利益を保護し、公平な競争市場の秩序を維持する上で重要な役割を果たした。経済の急速な発展に伴い、司法実践には、不正競争防止法が新たな課題に直面する。例えば、取引活動における商業贈収賄が頻繁に発生している。一部のプラットフォーム経営者は、データやアルゴリズム、プラットフォームルールなどを利用し、インターネット不正競争を行なっている。不正競争行為をさらに規制し、公平な競争市場の秩序に対する保護を強化するため、全国人民代表大会常務委員会は現行の不正競争防止法を修正した。新たな『反不正当競争法』は2025年6月27日にて公布され、同年10月15日をもって施行される。今回の主な修正は以下の通りである。
一、混同惹起行為の類型を改善する(7条)
経営者は、他者の一定の影響のある新媒体アカウント名、アプリ名若しくはアイコンを使用し、又は他者の一定の影響のある商品名、企業名などをその検索キーワードを設置し、混同を惹起してはならない。なお、経営者は他者が混同惹起行為を行うことに便利を提供してはならない。
二、商業贈収賄に対する規制を強化する(8条)
贈賄を禁止する現行規定の上に、単位及び個人が取引活動に収賄してはならないという規定が追加された。
三、インターネット不正競争監督管理制度を改善する(13条)
プラットフォーム経営者は、法によりプラットフォームサービス契約及び取引規則において、プラットフォーム内の公正な競争規則を明確にし、プラットフォームにおける経営者による不正競争行為を適時に必要な措置を講じなければならない。経営者はデータやアルゴリズム、技術、プラットフォームルールなど、悪意のある取引など不正競争行為をしてはならない。
四、不正競争監督管理及び処罰規定を改善する(22条以下)
行政処罰法に定める過罰相当(処罰は違法性の重大性に対応するという原則。)、処罰教育融合(処罰と教育とを融合する原則という。)原則に従い、監督管理措置を追加し、処罰の金額を調整する。例えば、経営者が贈賄する場合、情状が厳重するかどうかによって、処罰の金額を対応的に規定している。情状が厳重でない場合、10万元以上100万元以下の罰金が科される。情状が厳重な場合、100万元以上500万元以下の罰金が科され、営業許可証を取り消さられることも可能である。経営者が不正競争防止法の規定に違反する恐れがある場合、監督検査当局はその法定代表者又は担当者に相談し、措置を講じさせかつ適時に改善させることを要求することができる(18条)。商業贈賄を行う経営者の法定代表者、主な担当者及び直接に責任を負う者などに関する規定並びに取引活動において収賄した単位及び個人に対する罰則を追加した(24条)。